◆本の概要◆
 株式会社東京ニュース通信社から出版されたムックの第二弾。芸人同士の人間模様に焦点を当て、対談からその関係を紐解く。全編対談で構成されているのが特徴。
 ちなみに第一弾はこちら↓


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◆感想◆

 EXITは巻頭で35ページ大特集されています。コンビ対談だけではなく個人インタビュー、EXITと縁の深い相席スタート・山添さんと泥水すすり隊へのインタビュー、更には各自の好きな曲紹介やお笑い第7世代との妄想相関図と、ボリュームたっぷりでした。ジッターさんなら買って損はないのではないかと思います。
 特にコンビ対談は、前回の特集からコロナ自粛期間を経て現在までの変化、10年後の理想像などEXITの現在から未来まで様々な事を話していました。

 中でも私が特に印象深かったのは「本」にまつわる話です。

 現在兼近さんは、自身の体験をもとにした小説を執筆中なのだそうです。
 その理由の一つとして、兼近さん自身が本を読むことで救われ、新しい事をしてみようと思ったこと。だからこそ自分が本を出すことで普段本を読まない人にも本を手に取ってもらい、読書という体験に導けたら良い、という思いがある様です。

 私も最近改めて本の良さや大切さを感じている所なので、兼近さんの「本を手に取る人が増えて、それによって良い体験をする人が増えたら」という思いにはとても共感しましたし、応援したいとも思いました。

 私の場合、最近は情報収集を目的によく本を読みます。
 現代において最も手軽な情報収集の手段はネットを利用することだと思いますが、ネットは誰でも匿名で発信できる分嘘も紛れ込みやすく、その中から信憑性のある情報を探し出すのはなかなかに骨が折れるもの。
 また、情報収集をしていたつもりが、ただの悪口の様な言葉や差別的な言葉を意図せず目にしてしまう事もあり、心を削られやすいのも地味にネットの難点ではないでしょうか。
 身近で手軽でどんな情報にもアクセスできそうなイメージがあるネットですが、思ったほど万能ではなくコスパも悪いというのが現在の私の実感です。

 その点、本はその分野の専門家が身分を明かして書いたものであれば、完全にとは言わなくとも、少なくとも匿名のネットの書き込みよりは信用できます。
 一冊である程度の知識が身につくよう情報を分かりやすくまとめてあるので、ネットの様にあちこち脇道に逸れず学習できるという利点もありますし、まともな筆者であれば気分が悪くなる様な悪口や差別発言はそうそう書いてはいないというのも良い所です。

 情報収集ではなく「物語を通して他人の人生を疑似体験する」という事に関しても、無料で手軽に見れる分、大衆性が必要なネット動画やTVドラマよりも、小説をはじめとした本の方が、些細で地味な事を繊細に綴ったり、シリアスで重いテーマをじっくり掘り下げて書くのが得意な気がします。

 と、いう訳で、ネットにはネットの良い所がありますが、だからと言って本という媒体に触れずにいるのは勿体ない。食わず嫌いなら尚更です。

 本は「真面目で難しくて、面白くないもの」と思っている方も多いかも知れません。もしくは「文字を読む=勉強」というイメージがあって、本に手を出しづらいという方も。

 しかし、色々な人が楽しめる物語が本の世界にもあるという事は、小説を原作に多くの映画やドラマが製作されている事から分かると思います。本で取り扱っている内容は堅苦しいものばかりではなく、小説はコメディもあれば恋愛もホラーもなんでもありの立派な娯楽です。
 また、ただ楽しむために読み始めた小説の登場人物が、自分が抱いていた誰にも打ち明けた事が無い思いと全く同じことを思っていて、「自分だけじゃなかった」と共感する…そんな、そっと心を癒される様な出会いがあるのも小説の良い所であり、兼近さんの言う所の「本に救われる」という例の一つなのではないでしょうか。

 それに「学生時代の勉強のためでしか本を読んだ事が無い」という人も、大人になって「自分の人生で起きた問題は、自分で解決しなければならない」だとか「疑問に思った事は自分で調べなければ解消できない」という状況に陥った時、例えば「仕事術」や「片づけ術」の様な実用書は自分の生活にすぐに役立てられる知識が書いてあるので、小説よりもより直接的に私たちの救い…とまでは行かなくとも、助けになります。


 小説の執筆は、「芸で人を笑わせる」という、職業としてのお笑い芸人の仕事ではないのかも知れません。しかし、それこそ兼近さんが憧れるピース・又吉さんの様に、人を笑わせる以外の事をやっている芸人さんは大昔から沢山いらっしゃいます。
 EXITを好意的に見ている一人のお笑い好きとしても、本の良さを実感し、本を読むことが広まれば良いと思っている者としても、兼近さんの思いを応援しますし、出版を楽しみにしたいと思いました。
 
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